「無浸漬炊飯ってなに?」
「無浸漬炊飯することでどんなメリットがあるの?」
無浸漬炊飯は米を水に浸さずに、ご飯を炊くことです。ご飯を炊く際、一般的にはふっくらと炊き上げられるように、米の中心部まで給水させる工程があります。
しかし、無浸漬炊飯が可能な炊飯器を選ぶことで、浸漬する手間をなくすことが可能です。
そこで本記事では、無浸漬炊飯の概要や、給水時間を省くことで生じるメリットを解説します。あわせて、業務用炊飯器のおすすめメーカーを紹介するため、参考にしてください。
また、以下の記事では炊飯システム導入におすすめのメーカーを紹介していますので、会社選びでお悩みの方は参考にしてみてください。
無浸漬炊飯とは
無浸漬炊飯とは、米を研いだ後に給水せずに炊飯することです。無浸漬と書いて「むしんせき」あるいは「むしんし」と読みます。
一般的に米を炊くとき、米を研いだ後に60~90分間、米の中心まで給水させます。給水させることで米の中まで水分が入るため、ふっくら柔らかいご飯を炊くことが可能です。
一方で、浸漬しないで炊飯してしまうと、ご飯に芯が残ってしまい、炊きあがりが硬くなってしまう可能性があります。そのため、米の浸漬はおいしくご飯を炊くために必要な工程だと考えている方も多いでしょう。
しかし、炊飯器の中には、給水時間が必要ないものがあり、無浸漬炊飯することで給水する時間と手間を省けます。
無浸漬炊飯と従来の炊飯との違いは?
無浸漬炊飯と従来の炊飯の大きな違いは、「米を水に浸け置く工程の有無」です。従来の炊飯では30分〜1時間程度の浸漬時間を設け、米粒に十分に水を吸わせてから加熱するのが一般的でした。
一方、無浸漬炊飯は専用の加熱制御やスチーム技術により、浸漬なしでも米が短時間で吸水し、ふっくらと炊き上がるよう工夫されています。
そのため、炊飯の待ち時間を大幅に短縮でき、業務用現場では作業効率や提供スピードの向上に直結する点が特徴です。
無浸漬炊飯のメリット
無浸漬炊飯は従来の炊飯方法と比べて、業務用の現場で特に大きな利点を発揮します。提供スピードの短縮だけでなく、人手不足対策や品質の安定にもつながるため、飲食店や施設給食などで注目されています。
ここでは代表的なメリットを3つに分けて解説します。
以下で詳しく解説します。
時短になる
無浸漬炊飯は60~90分の給水時間が必要ないため、時短に繋がります。すぐに炊き始めることで、短時間でより多くのご飯を炊き上げられるでしょう。
また、時期や浸漬時間・水の温度などによっては、浸漬することで雑菌が繁殖してしまうかもしれません。安全にご飯を届けられることも無浸漬炊飯のメリットの1つです。
作業効率が上がる
無浸漬炊飯によって浸漬時間がなくなることで、作業効率が上がることもメリットです。ご飯を炊く際、季節や気温・環境などによって、必要な浸漬時間が異なります。
浸漬時間が長すぎると、水に米のデンプンが溶けだすことで、食感が悪くなってしまうかもしれません。また、短すぎると米に芯が残ってしまい硬いご飯が炊けてしまうでしょう。
おいしく安定した品質のご飯を炊くためには、浸漬の調整作業が必要です。しかし、浸漬が必要ない炊飯器を選択することで、浸漬時間を調整する手間がなくなり、安定した炊きあがりのご飯を炊けるため、作業効率が上昇します。
ご飯の品質を安定させやすい
無浸漬炊飯は、専用の加熱プログラムによって米の吸水や加熱を自動的に最適化するため、炊き上がりのブレを抑えやすいのがメリットのひとつです。
従来の方法では浸漬時間や水加減に左右され、作業者ごとに炊き上がりに差が出ることがありました。無浸漬方式では、機械が一定条件で炊飯を行うため、常に均一な品質のご飯を提供できます。
大量調理を行う現場や複数人が交代で作業する厨房では、この安定性が特に重要です。結果的に、顧客満足度や店舗の信頼性向上につながるでしょう。
無浸漬炊飯が活躍するシーンは?
無浸漬炊飯は、炊飯前の浸漬を不要にすることで仕込みの手間を減らし、スピードと安定性を両立できる炊飯方法です。そのため、次のような現場で特に力を発揮します。
・大量調理が必須となる社員食堂や学校・病院の給食施設
・提供スピードが重視される飲食店や宿泊施設の厨房
・人手不足で効率的なオペレーションを求める外食産業やセントラルキッチン
従来方式では浸漬時間が提供スピードの制約となっていましたが、無浸漬方式なら常に短時間で安定した炊き上がりを実現できます。
結果として作業負担の軽減や人件費削減につながり、顧客への提供品質を保ちながら経営面でのメリットも期待できるでしょう。
無浸漬炊飯対応の炊飯器メーカーの選び方
無浸漬炊飯は導入によって効率化や品質安定に大きな効果を発揮しますが、どのメーカーの炊飯器を選ぶかによって結果は大きく変わります。メーカーごとの強みや特徴を把握し、自社の利用シーンに最も合った製品を導入することが成功のポイントです。
ここでは選定時に注目すべき3つの視点を解説します。
以下で詳しく解説します。
製品ラインアップの充実度と対応容量の幅
メーカーを選ぶ際は、どの程度幅広いラインアップを提供しているか、そして炊飯容量が自社の規模に適しているかを確認することが重要です。
小規模店舗であれば少量を効率的に炊ける機種、大規模施設であれば数十合単位を一度に炊ける大容量機種が求められます。ラインアップが充実しているメーカーなら、導入後に事業規模が変化した場合でも、適した機種に切り替えやすいメリットがあります。
加熱方式・炊飯方式の技術力
無浸漬炊飯は、従来の浸漬工程を省きながらも米にしっかり水を吸収させる高度な技術が必要です。そのため、各メーカーが採用する加熱方式や炊飯方式の違いは選定に大きく影響します。
技術力の高いメーカーは、加熱ムラを抑えたり省エネ性能を向上させたりする工夫を行っており、日々の業務で安定した品質を提供できます。導入を検討する際は、メーカーごとの技術的特徴を理解し、自社のニーズに最も適した方式を選ぶことが大切です。
複数社を比較検討する
無浸漬炊飯対応の炊飯器はメーカーごとに得意分野や機能の違いがあります。そのため、一社だけで決めてしまうのではなく、複数社の製品を比較検討することが欠かせません。
価格や容量だけでなく、メンテナンスのしやすさやアフターサポート体制も含めて総合的に判断することが大切です。複数社を比較することで、最適なコストパフォーマンスを得られ、導入後の満足度も高められるでしょう。
おすすめの業務用炊飯器メーカー3選
本記事の最後には、おすすめの業務用炊飯器メーカーを紹介します。今回紹介するのは以下の3社です。
無浸漬炊飯できるメーカーも紹介します。
エースシステム株式会社

エースシステム株式会社は、1988年に創業した産業機械・工作機械の製造と販売を行っている会社です。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | エースシステム株式会社 |
| 所在地 | 大阪府和泉市あゆみ野3-1-3 |
| 創業年数 | 1988年創業 |
| 商品名 | スチームライスマシーン |
| 公式サイト | https://www.acesystem.co.jp/index.html |
栄養成分が食材から溶けだしにくい方法である、過熱水蒸気を利用した調理機器を主力商品としています。
エースシステムが提供する『連続蒸気炊飯システム』は、本記事で紹介した無浸漬炊飯が可能です。過熱水蒸気によって米に水をしっかりと入れられるため、浸漬せずにふっくらとしたおいしいご飯が炊けます。
炊きあがるご飯は、中は柔らかく、外が硬いのが特徴です。成型しやすく、米の1粒1粒を感じられるでしょう。
以下の記事ではエースシステム株式会社の特徴や製品事例を詳しく解説していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。
また、エースシステムについてより詳しく知りたい方は公式ホームページを訪れてみてください。
ここからは、エースシステム株式会社の主な製品をご紹介します。
SRMスチームライスマシーン

SRMスチームライスマシーンは、世界で初めて無浸漬炊飯を可能にした連続式の蒸気炊飯システムです。
高温の過熱水蒸気を活用して米のα化を一気に進めるため、従来必要だった浸漬工程を省略でき、仕込みから炊き上げまでの効率を大きく改善します。また、炊き増え率が釜炊きより高く、同じ量の米でもより多くのご飯を得られる点も大きな特徴です。
さらに、芽胞菌の殺菌効果により黄化を防ぎ、再加熱後も美味しさを維持。おにぎり・酢飯・赤飯といった幅広い用途に対応し、成形性の高さも評価されています。
省エネ性や設置のしやすさにも優れ、品質・効率・衛生を同時に満たす次世代型の業務用炊飯システムです。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 世界初の無浸漬炊飯 | 過熱水蒸気により、洗米後すぐ炊飯可能。浸漬時間を省略して作業効率を向上。 |
| 炊き増え率の高さで原料削減 | 2.3〜2.5倍の炊き増えにより、同量の米からより多くのご飯を得られ、原料コストを削減。 |
| 日持ち・衛生性の向上 | 芽胞菌の殺菌効果で日持ち良好。黄化を防ぎ、低品位米でも美味しく炊き上がる。 |
| 成形性と再加熱耐性が優秀 | 外硬内柔の理想的な炊き上がりで、おにぎり・酢飯にも最適。冷却・再加熱しても食感が保たれる。 |
| 高効率・省スペース設計 | 密閉構造による高効率加熱で省エネ。設置面積は従来のガス釜の1/3〜1/5とコンパクト。 |
MSCマルチスチームクッカー

MSCマルチスチームクッカーは、炊飯だけでなく野菜・魚・肉といった幅広い食材を同時に調理できる多機能型の連続スチーム加熱システムです。
独自の過熱水蒸気技術を活用することで、酸化を抑制しながら短時間での加熱を実現。素材の色合いや風味、栄養をしっかり保ちながら高品質な仕上がりを可能にします。
さらに、無浸漬炊飯に対応しており、浸漬工程を省くことで作業時間を削減できるうえ、炊き増え率の高さによりコスト削減効果も期待できます。コンパクト設計ながら省エネ性に優れており、セントラルキッチンや大量調理が求められる現場で導入しやすい次世代のスチーム調理機です。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 多品目同時調理に対応 | 米・野菜・魚・肉などを一台で調理。異なる素材でも色や味の移りがなく、時短と効率を両立。 |
| 過熱水蒸気による高温加熱 | 100℃以上の蒸気で短時間加熱。酸化を抑え、栄養・色味を損なわずふっくら仕上げに。 |
| 世界初の無浸漬炊飯に対応 | 浸漬不要で時間短縮。高炊き増え率(約2.3~2.5倍)により原料削減も可能。 |
| 日持ち・再加熱耐性に優れる | 芽胞菌の殺菌とパサつき抑制により、冷却・再加熱後も美味しさをキープ。 |
| コンパクトで省エネ設計 | 設置スペースを抑えた省スペース仕様。ガス釜の約半分のランニングコストで運用可能。 |
株式会社アイホー

株式会社アイホーは、1953年に創業した給食用調理機械・厨房機器の製造と販売を行っている会社です。ガス式・IH式・蒸気式を熱源とした炊飯器を揃え、豊富なラインナップから適切な炊飯設備を選択できます。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社アイホー |
| 所在地 | 愛知県豊川市白鳥町防入60 |
| 創業年数 | 昭和28年8月18日 |
| 公式サイト | https://www.aiho.co.jp/ |
人気ブランドの『ライスフレンド』は、省エネかつ効率的に、おいしいご飯を炊き上げられるガス式を採用した商品です。炊飯釜は昔ながらの羽釜によってかまど炊きを再現していることに加え、微妙な火加減が可能なため、多品種の同時炊飯ができます。
アイホーの炊飯器は種類が多いため、施設の規模や炊くご飯の量に合わせて最も適した炊飯器を選べるでしょう。
また、以下の記事では株式会社アイホーについて詳しく紹介しているので、参考にしてください。
株式会社サタケ

株式会社サタケは1896年に創業した食品産業総合機械やプラント設備・食品の製造販売を行っている会社です。創業から120年を超え、国内以外にも世界約150か国に機械や設備を提供しています。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社サタケ |
| 所在地 | 〒101-0021 東京都千代田区外神田4-7-2 |
| 創業年数 | 1896年(明治29年)3月 |
| 公式サイト | https://www.satake-japan.co.jp/ |
最高水準のIH炊飯器として、IH式を採用した『炊飯マイスターシステム』は、低コストな炊飯ラインが実現可能です。
釜を発熱させるIH方式を採ることで、熱効率が良く、高火力でご飯を炊けます。釜全体に熱を均一に伝えて炊飯することで、おいしいご飯が炊ける炊飯器です。
また、以下の記事では株式会社サタケについて詳しく紹介しているので、参考にしてください。
まとめ
本記事では、無浸漬炊飯の概要やメリットを解説しました。無浸漬炊飯できる炊飯器を選ぶことで、時短・作業効率アップが見込めます。
業務用炊飯器を選ぶ際には、無浸漬炊飯についても考慮しましょう。しかし、施設の規模や採用したい熱源の方式など、総合的に判断して最も適した炊飯器を選択するのがおすすめです。
この記事があなたのお役に立てれば幸いです。

