フードロスが世界的に問題視される現代、日本国内でも他人事にはできないほど深刻化が進んでいます。
農林水産省の発表によると、1年間のフードロスは約612万トン。この数値は日本国民全員が『お茶碗一杯分』の白米を食べずに捨てている計算になります。
そんな深刻な問題を解決するために、カマタ農園とエースシステムソリューション株式会社、エースシステム株式会社が手を組んだ新規プロジェクトの開工式に参加。
本記事では新規プロジェクトを立ち上げた背景をインタビューしていきながら、規格外品を美味しく生まれ変わらせる『過熱水蒸気調理』の凄さに迫っていきます。
【インタビュー】カマタ農園が取り組む新事業の背景
【カマタ農園とは】
株式会社カマタ農園は、平成26年1月に指宿市山川において設立。約80㏊の広大な農地で、キャベツ、レタス、オクラ等の農作物の生産を行っている農家。
Q1.今回立ち上げられた新規プロジェクト、工場新設の背景
今回の工場新設は、青果販売の弱点でもある不作・豊作時の価格調整等による収益の変動や、規格外品の廃棄又は無償販売など、地域生産者の抱える課題の解消が背景にあります。
旧山川小学校の土地・建物を活用し,規格外品,廃棄品等の指宿産の農畜水産物を過熱水蒸気調理という特殊な調理方法を用いて付加価値のある製品に加工し、食品関連会社や病院、学校、老人福祉施設等への販売を可能としています。
Q2.今回の工場にエースシステムさんの調理機械を導入した背景
農業だけでは、相場価格の乱高下や農業資材の高騰による利益の圧迫で経営が非常に難しいことが課題として挙げられていました。
解決策として数年前から加工品の製造販売の考えがありましたが、他社と同じことをしても価格勝負になるだけである為、他社が出来ない方法で生産を出来ないか、様々な方と会い、情報を集めていたんです。
上記のような出会いを続けた結果、六次化産業のパートナーを探しているエースシステム様に巡り会うことが出来ました。
エースシステム様の持つ特殊な調理方法に感銘を受け、事業を開始することにしたんです。
加えて、同じタイミングで指宿市が廃校活用事業者を探しており、安くはない金額を毎年維持費として税金から使用していると聞き、何か役に立てないか、また、廃校を工場に代え、人が集まる場所を創出出来ないかと強く思い、廃校活用に立候補し、現在に至ります。
Q3.エースシステムさんの特殊な調理方法とはどのようなものなのか
今回の開工式に訪れていただいた方にも、エースシステムさんの調理方法で制作した商品を試食いただきました。
さつまいも、キャベツ、じゃがいも等、とても風味が強く、野菜の味をしっかりと感じることができる。
特に人参は砂糖で煮たのかと思うほど、甘かった。
鶏肉も柔らかく、塩だけも十分に美味しく感じられた。
など、とにかく絶賛の声が絶えませんでした。
これは、単に茹でるのではなく100〜120℃の過熱水蒸気で蒸すことによって旨みが凝縮される、エースシステム様の技術の賜物だと感じました。
Q4.最後に今後の展望を教えてください
当地域には土壌検査、菌数検査、残留農薬検査等を実施できる検査センターがなく、遠方の機関を利用していました。
新設する工場には同検査を実施できる設備を導入することとしており、時間ロスの解消を図るとともに、より安全な食品を求める消費者のニーズに応えられる体制の整備を目指しています。
さらに上記の取り組みにより、地域における雇用の創出・活性化はもとより指宿のブランド力の向上や地域経済の浮揚発展に大きく貢献していければと考えております。
過熱水蒸気調理の凄さとは
ここまで開工式の様子と共に、カマタ農園の方に行ったインタビュー内容を紹介してきました。
今回のインタビューの中でも多く話に上がった『過熱水蒸気調理』とは、そもそもどのようなものなのでしょうか。
過熱水蒸気調理の最大の特徴は、食品が煮崩れしにくく、直接加熱方式で栄養価を保持できるということです。
熱量を直接、食品の表面に与えることで高効率の熱伝導を実現。ただし、温度が高すぎると食材が乾燥するデメリットがあります。
また、野菜臭さや生臭さなどの嫌な匂いを提言させることができます。
エースシステムの過熱水蒸気調理の特徴
ここからは今回のカマタ農園さんの新プロジェクトにも導入されたエースシステムの過熱水蒸気調理の特徴を見ていきましょう。
最大の特徴は、高い凝縮熱の利用による低酸素・低温度調理によって食材の風味、栄養も損ねることなく『保存料不使用』を実現していることです。
また、栄養価の比較としても以下のように数値の変動が見えています。
①ビタミンC
通常、ビタミンCは加熱により分解・酸化することが一般的です。しかし、過熱水蒸気調理後のビタミンC含有量を63.4%保持することに成功しています。
②甘さ(グルコース)
過熱水蒸気調理では甘味成分(グルコース)の保存効果が高いことも確認されており、茹で調理と比較して1.5倍〜1.6倍の多さを誇っています。
③甘さ(マルトース)
過熱水蒸気調理器によって、さつまいもの甘味成分(マルトース)が増加。マルトース生成酵素を効果的に活性化させてくれます。
以下の記事ではエースシステムの他商品の事例や、納入事例などを詳しく解説していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
まとめ
今回は4月19日に行われた開工式の様子から、カマタ農園の方へ実施したインタビュー内容、過熱水蒸気調理の凄さを紹介してきました。
中でも業界のトップランナーであるエースシステムの過熱水蒸気調理は、素材の旨みを引き出し規格外品にも付加価値を与えられることから、さらに注目されていくことになるでしょう。
本記事を読んでエースシステムソリューション株式会社、エースシステム株式会社が気になった方は、ぜひ以下のボタンから公式サイトをチェックしてみてください。