「おいしいごはんを出せばリピーターが増える」という言葉を聞いたことはありませんか？ 実はごはんのおいしさは、飲食店の売上にも大きく影響します。
和食はもちろん、定食屋やラーメン店、カレー専門店など、実に幅広いジャンルで「ごはん」がメニューの土台になっているからです。
そこで注目したいのがかまど炊きです。昔ながらの炊飯方法であるかまど炊きは、直火の強い火力で一気に炊き上げるからこそ実現できる、ふっくら甘みのあるごはんが魅力です。
しかし「実際に店舗でかまど炊きをするのは難しそう……」とお悩みの方も多いでしょう。
そこで本記事では、
- かまど炊きの魅力
- 効率よくかまど炊きを再現するポイント
- 業務用炊飯器の選び方とおすすめの調理システム
などを詳しく紹介します。これから飲食店を始める方はもちろん、すでに店舗経営をされており「もう一段レベルの高いごはんを提供したい！」と思う方にも役立つ情報ばかりです。
読んでいただければ、短時間で大量のお米をおいしく炊くコツやコスト削減につながるポイントがわかります。ぜひ最後までご覧ください。
目次
【おさらい】かまど炊きの基本と「おいしさ」を生む秘訣
まずは、かまど炊きの概要や、現代でなぜ「かまど炊き」が注目され続けているのかを押さえておきましょう。
「かまど炊き＝手間がかかる」というイメージは確かにありますが、一方で手間に見合う「圧倒的なおいしさ」を得られるためです。ここでは、かまど炊きの歴史や魅力を紐解きます。
【数字でわかる】かまど炊きの歴史：なんと石器時代から発展
かまど炊きのルーツをたどると、石器時代にまでさかのぼるともいわれています。
当時は地面に穴を掘ったうえに石を積み、鍋や釜を置いて加熱していたそうです。
文明の発展に伴い土鍋や鉄鍋が利用されるようになり、江戸時代～昭和初期にかけては各家庭でかまど炊きが一般的でした。
しかし、昭和に入るとプロパンガスや電気釜が普及し、家庭や店舗の炊飯事情は一変、大量に、そして手軽に炊飯できるガス式・電気式炊飯器が定着し、かまど炊きは減少傾向となりました。
ただ近年、「直火ならではの強い火力で炊きあげるからおいしい」と、あえてかまど炊きにこだわる飲食店も増えています。
【5大メリット】かまど炊きが生む圧倒的なおいしさ
- 高火力で一気に炊き上げる
直火ならではの高温で一気に加熱するため、外はしっかり、中はふっくらと炊き上がるのが大きな特徴です。お米の芯が残りにくいので、ごはんの甘みをしっかりと感じられます。
- 熱が全体に均一に伝わる
かまど炊きは円形の釜を使用し、炎が釜全体を覆うように加熱されます。その結果、炊きムラが少なく、一粒一粒が粒立ちしながらもしっとりとした仕上がりに。
- 遠赤外線効果が期待できる
土鍋・鉄釜が持つ遠赤外線効果は、お米の内部まで熱が届きやすく、短時間でも旨味成分を引き出しやすいとされています。より甘みとコクのあるごはんが楽しめるのは、こうした素材が持つ効果の賜物です。
- 香ばしいおこげ
かまど炊きならではの「おこげ」は、ほのかな香ばしさと甘みが同居する特別な味わいです。おこげ目当てでかまど炊きごはんを求めるお客様もいるほどです。
- 炊きたての湯気までおいしい
高火力調理で立ち上る湯気には、お米の甘みが凝縮されています。炊きたての湯気をかぐだけで「おいしそう！」という印象を与えられるのは、飲食店として大きな武器になるでしょう。
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【再現可能】飲食店でかまど炊きを実現する炊飯器選びのポイント
かまど炊きに興味があるものの、現代の飲食店で薪をくべて直火調理をするのは簡単ではありません。
とはいえ、業務用炊飯器の中にはかまど炊きを再現できるモデルも多数あります。ここでは、そうした炊飯器を選ぶ際に着目すべきポイントをお伝えします。
【3つのチェック項目】かまど炊きを再現するならここを見よ
- 直火に近い高火力設計か
一気に炊き上げるためには、IH式やガス式など強火力が期待できるタイプがおすすめです。火力が強ければ短時間でお米が沸騰し、芯までしっかり火が通ります。
- 蒸らし機能や保温性が充実しているか
かまど炊きで重要なのは「蒸らし」です。近年の業務用炊飯器には蒸らし時間を自動で管理してくれる機能や、保温力の高い厚釜を採用しているモデルがあります。蒸らしによってお米が膨らみ、モチモチ食感に。
- かまど炊き専用モードの有無
一部の業務用モデルは「かまど炊きモード」や「極上炊き機能」などを搭載しています。火加減の自動調整や炊きムラを防ぐ制御が組み込まれているので、誰が操作しても安定しておいしいごはんを炊けます。
【要注意】大容量炊飯を考えるなら「ガス設備」と「電気容量」を確認
大量炊飯が必要な飲食店や弁当・仕出し業者の場合は、特にガス設備・電気設備のチェックを怠らないようにしましょう。
- ガス式の場合
- 設置場所にガス管が通っているか
- 換気や一酸化炭素中毒防止策（換気扇・二次換気）を整備できるか
- 火気厳禁の施設では使えないこともある
- 電気式（IH式・マイコン式・圧力IH式など）の場合
- 大容量炊飯モデルだと消費電力が大きいため、専用のブレーカーや高電圧設備が必要
- 電力契約の見直しが必要になるケースも
「かまど炊きの味はガス式が圧倒的に良い」とのイメージもありますが、近年の電気式炊飯器もIHや圧力IH技術の進化により、ガス式に負けず劣らず美味しく炊けるモデルが増えています。
店舗の設備条件や、ランニングコストを踏まえて検討するのが賢明です。
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【メーカー厳選】かまど炊きが可能な業務用炊飯器＆炊飯システム3社
ここからは、かまど炊き同等のふっくら炊き上げが可能な業務用炊飯器を扱っているメーカーを3社ご紹介します。
それぞれ独自の技術を持っており、大規模炊飯やオペレーション効率化にも対応できるため、新規オープンやリニューアル時の導入に最適です。
【1953年創業】株式会社アイホー：豊富な連続炊飯システム
出典元：株式会社AIHO 公式HP
株式会社アイホーは、長年にわたり厨房コンサルティングを手がけ、炊飯システムに強みを持つ企業です。
代表的な連続炊飯器ブランド「ライスフレンド」は、1釜炊飯・連続炊飯など多様なラインナップがあり、かまど炊きのような強火力と短時間調理を両立します。
- ライスフレンドONE：1釜でも高効率炊飯ができるコンパクトモデルで小中規模店におすすめです。
- ライスフレンドeco-K：連続稼働で大量炊飯が可能。大規模店や仕出し・給食にも最適です。
ガス炊飯・IH炊飯ともに機種が用意されているため、設備環境に合わせやすいのがポイント。かまど炊き並みの火力と独自の温度制御で炊きムラを抑え、ごはんの食味向上に寄与します。
