引用元:フォトAC
「蒸気炊飯のメリット・デメリットはなに?」
「蒸気炊飯を採用している会社はどこ?」
炊飯設備を選定する際には、提供食数や運用体制、コストバランスなどを総合的に考える必要があります。中でも大量調理の現場で注目されているのが蒸気炊飯です。蒸気の熱で均一に加熱することで、高い炊き上がり品質と安定性を実現できる点が特徴といえます。一方で、初期投資や設備条件など、事前に把握しておくべき注意点も存在します。本記事では、蒸気炊飯のメリット・デメリットを整理し、ガス炊飯やIH炊飯との比較を通じて、導入前に知るべきポイントについて詳しく紹介します。
◇蒸気炊飯が向いている現場/向いていない現場
蒸気炊飯はすべての現場に適するわけではなく、条件によって効果の出方が大きく変わります。大量の食数を一定時間に提供する学校給食や社員食堂、食品工場などでは、炊き上がりの安定性と作業効率の両立が期待できます。一方で、少量多品種を頻繁に切り替える飲食店や、注文ごとに炊き立てを提供する運用では柔軟性に制約が出やすくなります。導入を検討する際は、食数規模や提供タイミング、自社の運用体制に照らし合わせて適合性を判断することが重要です。
蒸気炊飯とは

蒸気炊飯は、原料高騰や人手不足に対応する炊飯方式として注目されています。こちらでは、基本からメリット・デメリット、他方式との違いを比較視点で解説します。
ただし、すべての現場に適しているわけではありません。大量調理や省人化に向く一方、少量多品種には不向きな場合もあります。
そのため、自社の食数規模や提供方法に照らして適性を判断することが重要です。
◇蒸気炊飯とは
蒸気炊飯とは、蒸気の熱エネルギーを利用して米を加熱し、均一に炊き上げる炊飯方式です。釜やコンベア式の装置内に蒸気を供給し、直接火を当てるのではなく、蒸気の対流や熱伝導によって加熱する点が特徴です。ガス炊飯やIH炊飯と比べると、熱の回り方が穏やかでムラが出にくく、大量調理に適した安定した仕上がりを実現しやすいとされています。特に学校給食や社員食堂、食品工場など、一定量を継続的に供給する現場で導入されるケースが多く見られます。また、蒸気はボイラー設備などから供給されるため、既存の蒸気インフラを活用できる環境では、エネルギーコストの最適化につながる可能性があります。一方で、蒸気供給設備がない場合は新たな設備投資が必要となるため、導入前には施設条件の確認が重要です。さらに、蒸気炊飯は一度にまとめて炊く運用と相性が良く、少量多品種を頻繁に切り替える現場では柔軟性に制約が出ることもあります。このように、蒸気炊飯は安定供給と効率性を重視する炊飯システムの中核方式として位置づけられ、運用条件や施設規模に応じて適切に選定することが求められます。
◇米価格高騰の中で蒸気炊飯が検討されやすい理由
近年は原料価格の上昇により、炊飯工程におけるロス削減や歩留まり改善が重要視されています。蒸気炊飯は均一な加熱によって炊きムラを抑えやすく、炊き増え率の向上が期待できる点から、同じ原料量でも提供食数を増やせる可能性があります。また、大量炊飯を効率よく行えるため、エネルギーや人件費を含めたトータルコストの最適化にもつながります。こうした背景から、コスト改善を目的とした炊飯システム見直しの中で、蒸気炊飯が比較検討の候補として挙がりやすくなっています。
蒸気炊飯のメリットとは?コストと品質を両立できる理由

蒸気炊飯は、原料価格の上昇や人手不足に悩む現場で導入が進んでいる炊飯方式です。こちらでは、炊き増え率や品質、コストの観点からメリットを整理します。
◇蒸気炊飯のメリット
蒸気炊飯は、大量調理における効率化と品質安定を両立しやすい点が評価されています。蒸気による加熱は釜全体に均一に熱を伝えやすく、炊き上がりのばらつきを抑えながら安定した供給が可能です。また、運用条件が整えば原料効率の改善やエネルギーコストの最適化にもつながるため、炊飯システム全体の見直しにおいて有力な選択肢となります。以下では代表的なメリットを整理します。
◇炊き増え率
蒸気炊飯では、米に対して均一に熱と水分が行き渡るため、ふっくらとした仕上がりになりやすく、結果として炊き増え率の向上が期待されます。炊き増え率が高まることで、同じ原料量でも提供できる食数が増え、原料コストの抑制につながります。特に米価格が高騰している状況では、この効果は経営面に直結しやすい要素です。ただし、炊き増え率は米の種類や浸漬条件、設備設定によって変動するため、導入時には試験炊飯などで実測値を確認することが重要です。
◇品質安定
蒸気は熱の伝わり方が穏やかで均一なため、炊飯時の温度ムラが起きにくく、品質のばらつきを抑えやすい特徴があります。これにより、同一条件での連続炊飯においても仕上がりが安定し、提供品質の均一化が図れます。学校給食や社員食堂など、毎日同じ品質を求められる現場では大きなメリットとなります。また、焦げ付きや加熱ムラのリスクが低減されることで、再炊飯や廃棄の発生を抑える効果も期待できます。
◇省ランニングコスト
蒸気炊飯は、既存の蒸気設備を活用できる環境であれば、ガスや電力の使用量を抑えやすく、ランニングコストの最適化につながります。特にボイラーを既に運用している工場や大型施設では、エネルギーの一元管理が可能となり、全体のコスト効率を高めることができます。また、自動化設備と組み合わせることで人手作業を削減でき、人件費の抑制にも寄与します。ただし、蒸気供給設備がない場合は初期投資が必要となるため、導入前にトータルコストで比較する視点が重要です。
蒸気炊飯のデメリットとは?導入前に確認すべき注意点

蒸気炊飯は効率性や品質面で評価される一方、すべての現場に適するとは限りません。こちらでは、導入後にギャップが出やすいポイントを整理し、炊飯システムとして適合するかを判断するための注意点を分かりやすく解説します。設備選定で後悔を防ぐために、事前に確認すべき視点を押さえることが重要です。
◇蒸気炊飯のデメリット
蒸気炊飯は大量調理や定時供給に強みがある反面、運用の柔軟性や初期コストの面で制約が生じる場合があります。特に現場の提供スタイルや設備環境によっては、他方式のほうが適しているケースもあるため、導入前に条件を整理することが重要です。以下では代表的なデメリットを確認します。
◇少量多品種との相性
蒸気炊飯は一度にまとまった量を安定して炊き上げる運用と相性が良く、少量多品種を頻繁に切り替える現場では効率が下がる傾向があります。例えば、メニューごとに炊き分けが必要な場合や、提供時間が分散している場合には、炊飯タイミングの調整や段取りが複雑になりやすくなります。その結果、設備の稼働効率が十分に発揮できず、想定した効果が得られない可能性があります。このような現場では、釜炊き方式との併用や、用途別に設備を分けるなどの運用設計が求められます。
◇初期導入費用
蒸気炊飯を導入する際には、炊飯設備に加えて蒸気を供給するためのボイラーや配管設備が必要となる場合があります。既に蒸気インフラが整っている施設であれば負担を抑えやすいものの、新規で整備する場合は初期投資が大きくなりやすい点に注意が必要です。また、設置スペースや搬入経路の確保、既存設備との接続工事なども検討項目となり、トータルでの導入コストを把握することが重要です。導入判断では初期費用だけでなく、運用後のランニングコストや人件費削減効果を含めて総合的に比較する視点が求められます。
蒸気炊飯が向く現場・向かない現場

蒸気炊飯はすべての現場に適するわけではなく、提供規模や運用体制によって適性が大きく異なります。こちらでは、どのような条件で効果を発揮しやすいか、逆にミスマッチになりやすいケースを整理します。導入判断の精度を高めるために、自社の運用と照らし合わせて確認することが重要です。
◇蒸気炊飯が向く現場
蒸気炊飯は、大量のご飯を安定して供給する必要がある現場に適しています。例えば、学校給食や社員食堂、病院、食品工場など、一定時間にまとまった食数を提供する環境では、炊き上がりの均一性と効率性を両立しやすくなります。また、1日あたり数百食から数千食規模の調理が必要な場合、連続的な炊飯運用との相性が良く、作業の標準化や人手削減にもつながります。さらに、既にボイラーなどの蒸気インフラが整っている施設では、エネルギーコストの最適化も期待できます。提供メニューが比較的固定されており、炊飯スケジュールをあらかじめ計画できる現場では、蒸気炊飯のメリットを最大限に活かしやすい傾向があります。
◇蒸気炊飯が向かない現場
一方で、蒸気炊飯は柔軟な対応が求められる現場では適さない場合があります。例えば、少量ずつ多品種のご飯を炊き分ける必要がある飲食店や、小ロットで頻繁にメニューが変わる現場では、設備の特性を活かしきれない可能性があります。また、提供時間が分散している場合や、注文ごとに炊き立てを提供する運用では、炊飯タイミングの調整が難しくなりやすい点にも注意が必要です。さらに、蒸気供給設備が整っていない施設では、初期投資の負担が大きくなりやすく、コスト面でのメリットが出にくいケースもあります。このような場合は、ガス炊飯やIH炊飯など他方式との併用や比較を行い、運用に適した設備選定を行うことが重要です。
ガス炊飯・IH炊飯との違い

炊飯方式は見た目の違いだけでなく、コストや品質、運用面に大きな差が出ます。こちらでは、蒸気炊飯・ガス炊飯・IH炊飯を比較し、それぞれの特徴を整理します。
◇コストと設備条件の違い
蒸気炊飯は、ボイラーなどの蒸気設備を活用できる環境であればランニングコストを抑えやすい特徴があります。一方で、新たに蒸気設備を導入する場合は初期費用が大きくなる傾向があります。ガス炊飯は設備構成が比較的シンプルで導入しやすく、初期費用を抑えやすい点がメリットです。IH炊飯は電力を使用するため設置の自由度が高く、都市ガスや蒸気インフラがない施設でも導入しやすい特徴がありますが、電力単価によってはランニングコストが増加する可能性があります。
◇品質と仕上がりの違い
蒸気炊飯は、蒸気による均一な加熱によって炊きムラが出にくく、大量炊飯でも安定した品質を維持しやすい特徴があります。ガス炊飯は火力が強く、釜ごとに炊き上げるため、炊き立ての風味や食味を重視する現場に向いています。IH炊飯は加熱制御がしやすく、安定した炊き上がりを実現しやすい一方で、機種や設定によって仕上がりに差が出る場合があります。品質重視か、安定供給重視かによって適した方式は変わります。
◇運用と適した現場の違い
蒸気炊飯は、大量調理や定時提供と相性が良く、学校給食や食品工場などで効率的に運用できます。ガス炊飯は、必要なタイミングで炊き上げる柔軟な運用が可能で、飲食店や中規模施設に適しています。IH炊飯は操作性や安全性に優れ、厨房環境の制約がある施設でも導入しやすい点が特徴です。それぞれの方式は一長一短があるため、食数、提供時間、設備条件を踏まえて総合的に比較することが求められます。
ガス炊飯・IH炊飯との比較表

■炊飯方式別 比較表
| 項目 | 蒸気炊飯 | ガス炊飯 | IH炊飯 |
|---|---|---|---|
| 向いている規模 | ◎ 大量(数百〜数千食) | ○ 中規模 | ○ 小〜中規模 |
| 炊き増え率 | ◎ 高い | ○ 標準 | ○ 標準 |
| 品質安定 | ◎ 非常に高い | △ 技術に左右される | ○ 安定している |
| 柔軟性 | △ 低い | ◎ 高い | ○ 中程度 |
| 初期費用 | △ 高い | ○ 中程度 | ○ 中程度 |
| ランニングコスト | ◎ 低い(条件による) | ○ 中程度 | △ やや高い |
※炊き増え率やコストは条件により変動
◇蒸気炊飯を選ぶ前に確認すべき条件
蒸気炊飯の導入では、事前に条件を整理することでミスマッチを防ぎやすくなります。特に以下の項目は見積前に確認しておくことが重要です。
・1日あたりの食数(平均・ピーク)
・炊飯回数と提供時間
・設置スペースと搬入経路
・蒸気供給設備の有無
・人員体制と省人化の必要性
これらを整理することで、適切な設備構成や導入規模を判断しやすくなります。
おすすめメーカーの見方と判断のポイント

炊飯システムの導入では、設備性能だけでなくメーカーの対応力や適合性を見極めることが重要です。こちらでは、蒸気炊飯を前提としたメーカー選定の判断ポイントを整理します。自社の運用条件に合うパートナーを選ぶための視点を具体的に示します。
◇対応できる炊飯規模と実績
メーカーごとに得意とする炊飯規模や導入実績は異なります。大量調理に強いメーカーもあれば、中規模施設に最適化された設備を提供する企業もあります。導入予定の食数や運用形態に対して、同規模の実績があるかを確認することで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。また、学校給食や食品工場など、類似業態での導入事例があるかも重要な判断材料となります。
◇設備構成とカスタム対応力
蒸気炊飯は、炊飯機単体ではなく、搬送設備や計量装置などを含めたシステム全体で構成されるケースが多く見られます。そのため、現場のレイアウトや運用に合わせて柔軟に設計できるかが重要です。既存設備との連携や動線設計への対応力が高いメーカーであれば、導入後の作業効率にも良い影響を与えます。標準仕様だけでなく、個別条件に応じた提案が可能かを確認することが重要です。
◇保守体制とサポート範囲
炊飯設備は日常的に稼働するため、トラブル時の対応スピードや保守体制も重要な比較ポイントです。定期点検の有無や対応エリア、部品供給体制などを事前に確認することで、運用リスクを抑えることができます。また、導入後の操作教育や運用サポートが充実しているかも確認しておくと、現場への定着がスムーズになります。設備導入は長期的な運用を前提とするため、価格だけでなくサポート体制も含めて総合的に判断することが求められます。
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おすすめの蒸気炊飯器メーカー3選
ここでは、おすすめの蒸気炊飯器メーカー3選を紹介します。今回、紹介するのは以下の3社です。
それぞれの会社の特徴と製品について解説するので、ぜひ参考にしてください。
エースシステム株式会社

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | エースシステム株式会社 |
| 所在地 | 大阪府和泉市あゆみ野3-1-3 |
| 創業年数 | 1988年創業 |
| 商品名 | スチームライスマシーン |
| 公式サイト | https://www.acesystem.co.jp/index.html |
1つ目のおすすめの会社は、エースシステム株式会社です。エースシステムは30年以上の歴史を持ち、過熱水蒸気を熱源とした調理機器の製造・販売を行っている食品機械メーカーになります。
業界初となる連続蒸気炊飯システムを開発したことで知られる会社です。冷凍食品メーカーやコンビニなど、さまざまな業種に製品を導入しています。
アフターサポートも定期点検とリモートメンテナンスを用意しているため、安心して利用可能です。
連続蒸気炊飯システム

業界初となる連続蒸気炊飯システムは、釜を使わずに過熱水蒸気を利用して炊飯する新しい炊飯システムです。
過熱水蒸気を利用することで、洗米や浸漬をする必要がないため、無浸漬炊飯ができるようになっています。無浸漬炊飯によって約60〜90分の時間短縮が可能です。
また、130℃の高温で炊飯できるため、米のα化を促進させ黄化を防ぐことができます。冷却・再加熱にも強く、時間が経ってもパサパサしない、炊き立てのおいしさをキープしたご飯を炊くことが可能です。
株式会社アイホー

| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社アイホー |
| 所在地 | 愛知県豊川市白鳥町防入60 |
| 創業年数 | 1953年創業 |
| 商品名 | 連続炊飯機ライスフレンド |
| 公式サイト | https://www.aiho.co.jp/ |
2つ目のおすすめの会社は、株式会社アイホーです。
アイホーは約70年の歴史を持つ業務用厨房機器・設備の総合メーカーになります。厨房コンサルからアフターフォローまでをトータルサポートする会社です。
炊飯システムは、ガス式や電気式、蒸気式と豊富なラインナップを揃えています。導入先の施設や用途に合わせて最適な製品の導入が可能です。
スチーム式コンベヤ炊飯機

スチーム式コンベヤ炊飯機は、釜を使わずに蒸気の力で炊飯を行う炊飯機です。
独自の炊飯方法を採用しており、標準米でも銘柄米と同等の味・ツヤ・香りを持ったご飯が炊けます。スライド過熱方式によってスチームを均等に当てられるため、ムラのないおいしいご飯を炊くことが可能です。
また、カニ穴を開けて遠赤ヒーターで焼き上げることで香ばしく、甘味のあるご飯を炊くことができます。
株式会社サタケ

株式会社サタケは、穀物加工機器の分野で長年の実績を持つメーカーであり、精米機や選別機から炊飯設備まで一貫して手がけています。特に炊飯分野では、米の性質を熟知した技術を活かし、業務用炊飯システムの開発に注力しています。
同社の炊飯設備は、加圧IH方式など独自技術を採用し、一粒一粒の食感を保ちながら均一に炊き上げる点が特徴です。大量調理でも品質のばらつきを抑え、安定したおいしさを実現します。さらに、洗米・浸漬・炊飯・計量までを一体化したライン構築に対応し、省人化や作業効率の向上にも寄与します。食品工場や給食施設など、多様な現場のニーズに応える提案力も強みです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 株式会社サタケ |
| 所在地 | 〒101-0021 東京都千代田区外神田4-7-2 |
| 創業年数 | 1896年(明治29年)3月 |
| 公式サイト | https://www.satake-japan.co.jp/ |
加圧式IH炊飯設備SILK

「加圧式IH炊飯設備 SILK」は、業務用炊飯における食味向上と品質安定を両立した全自動システムです。加圧式IH技術により粒感を保ちながら均一に炊き上げ、大量調理でもムラの少ない仕上がりを実現します。さらに、洗米から炊飯、計量までを一体化した設計により省スペース化にも対応し、限られた工場環境でも効率的な運用が可能です。省エネルギー性や衛生面にも配慮されており、作業環境の改善にも寄与する設備といえます。
FAQ

蒸気炊飯は効率性やコスト面で魅力がある一方、現場条件によって適性が異なります。こちらでは、導入検討時によくある疑問を整理し、判断に役立つポイントを解説します。
◇蒸気設備がない場合でも導入できますか
蒸気炊飯はボイラーなどの蒸気供給設備が必要となるため、設備がない場合は新設が前提となります。そのため初期費用は増加しますが、運用規模や使用頻度によってはランニングコストで回収できるケースもあります。導入可否はトータルコストで判断することが重要です。
◇ガス炊飯やIH炊飯と比べてどれくらい差がありますか
コストや品質の差は、設備構成や運用条件によって変動します。蒸気炊飯は大量調理で安定供給しやすい一方、ガス炊飯は柔軟性、IH炊飯は設置性に強みがあります。単純な優劣ではなく、現場の食数や提供方法に応じて比較することが重要です。
◇少量対応はできませんか
蒸気炊飯は大量処理に適した方式のため、少量多品種の運用では効率が下がる傾向があります。ただし、釜炊き設備との併用や運用の工夫によって対応できる場合もあるため、現場条件に応じた設計が求められます。
◇中古設備は検討できますか
中古設備の導入も可能ですが、設備状態や保守対応の可否によってはリスクが伴います。特に蒸気設備との接続や安全面の確認が重要となるため、信頼できるメーカーや業者に相談しながら判断することが重要です。
◇導入までどれくらい期間がかかりますか
設備規模やカスタム内容によって異なりますが、設計から設置まで数か月単位での期間を見込む必要があります。既存設備との調整や工事内容によってはさらに期間が延びる可能性もあるため、早めの検討が重要です。
蒸気炊飯は、現場規模や運用条件によって最適な構成が大きく変わります。
そのため、単体設備ではなく炊飯システム全体で比較しながら検討することが重要です。
「自社に蒸気炊飯が適しているか分からない」「他方式と比較したい」という場合は、条件整理から相談することをおすすめします。
蒸気炊飯の特徴

ここからは、蒸気炊飯の特徴を、3つ解説します。
ムラなく炊ける
ムラなく炊けることは、蒸気炊飯の特徴の1つです。
蒸気炊飯では内釜と外釜の間に水を入れて熱するため、全体の米が過熱水蒸気の膜に包まれることにより、均一で炊きムラが起こりづらくなります。
一方、電気やガスの炊飯では熱源が釜底のみであるため、炊き上がりにムラができやすいのです。炊きムラがあると、再加熱したり蒸らす時間を長くするといった工夫をしなければならず、時間がかかります。
蒸気炊飯なら密閉空間全体に加熱水蒸気がいきわたるため、最も炊きムラが少なく、効率よく炊飯が可能です。
歯ごたえのある炊きあがりなる
歯ごたえのある炊きあがりになることも、蒸気炊飯の特徴の1つです。
蒸気炊飯では加熱水蒸気のみを熱源とするため、蒸気が100℃付近に達するのに時間がかかることから、米の表面に歯ごたえが残ります。
米の内部は十分な浸水を行えばやわらかくなるため、蒸気炊飯では表面が硬めで中はやわらかい炊き上がりです。
一方、電気炊飯では加圧することで沸騰までを早くしており、ガスは火加減で100℃までの到達が早いため、米の表面もやわらかくなります。
そのため、蒸気炊飯には電気やガス炊飯では実現が難しい歯ごたえのあるご飯が炊けることは特徴の1つなのです。
古米や破米もふっくら炊ける
古米や破米もふっくら炊けることも、蒸気炊飯の特徴の1つです。
前述したとおり、蒸気炊飯は表面が硬めで中はやわらかな炊き上がりになります。そのため、古米といった古い米では十分な浸水を行えば、中はふっくらとした歯ごたえのあるご飯が炊きやすいのです。
また、破米の場合は米が砕けたり切れた状態のため、内部からデンプンや水分が出やすくなります。とはいえ、蒸気炊飯なら表面を硬めに仕上げるため、電気やガスの炊飯よりもべたつき感がなくなり、ふっくらとしたご飯が炊けるのです。
蒸気炊飯のメリット

蒸気炊飯を導入することによるメリットは以下になります。
- コスト削減ができる
- 粒感が守られたご飯が実現可能
- 日持ちがよく黄化を防止できる
蒸気炊飯は釜炊飯と比べると、炊き増えがよかったり、エネルギー効率が高いことで原料コストやランニングコストの削減が可能です。さまざまな面でコストカットが期待できます。
また、成形性にも優れているため、粒感が守られたご飯を炊くことが可能です。
蒸気炊飯の1番のメリットは、炊飯の際に釜炊飯よりも高温での炊飯ができることが挙げられます。高温で炊飯することで米のα化を促進させ、土壌菌を殺菌できるため、ご飯の黄化を防いだ日持ちの良いご飯を炊くことが可能です。
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蒸気炊飯のデメリット

蒸気炊飯のデメリットは以下になります。
- 少量・多品種炊飯に向いていない
- 導入コストが高い
蒸気炊飯はコンベアを用いた炊飯器のため、釜炊飯のように釜ごとに異なる種類のご飯を炊くことができません。そのため、少量・多品種炊飯には不向きです。
また、蒸気炊飯はガス炊飯やIH炊飯と比べると導入コストが高くなります。しかし、メリットにもあるように導入後のコスト削減ができることが蒸気炊飯の特徴です。
そのため、長期的な目線で考えた上で導入を検討するようにしましょう。
蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くポイント

蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くポイントを、3つ紹介します。
米の品質・状態で水加減を調整する

米の品質・状態で水加減を調整することは、蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くポイントの1つです。
新米は水を吸収しやすく、古米になるほど水の吸収に時間がかかります。そのため、浸水時間や水の量を米の品質・状態に合わせて変えなければなりません。
米を浸水させすぎると、炊き上がりのご飯がやわらかくなりすぎて、潰れたり砕ける原因にもなります。
蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くには、米の品質・状態を考慮して加減に注意するのが賢明です。
15分程度の蒸らしを行う
15分程度の蒸らしを行うことも、蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くポイントの1つです。
前述したとおり、蒸気炊飯では表面は硬めに仕上がるため米の内部をやわらかくするために、15分程度の蒸らしは欠かせません。
電気やガスの炊飯では蒸らしは、10分程度が一般的です。蒸気炊飯でも同様に10分の蒸らしにすると、高温に到達するまでに時間がかかる炊飯方法では米の内部までやわらかくならない可能性があります。
米の表面が硬めなうえに内部までやわらなくならなければ、硬いご飯になり美味しく感じません。そのため、蒸気炊飯では米の内部をやわらかくするため、15分程度の蒸らしが不可欠です。
蒸らしが終わり次第すぐにほぐす
蒸らしが終わり次第すぐにほぐすことも、蒸気炊飯で美味しいご飯を炊くポイントの1つです。
蒸らしが終わり次第すぐにほぐせば、ご飯同士がくっついて固くなることを防げます。
蒸らしを行うと蒸気の熱で米の内部を柔らかくするものの、釜の中は水分が多い状態です。米に余分な水分がついたまま放置すると、米のデンプンが糊状に変化して隣の米とくっつき固くなります。
米が立つほど、ふっくらしたのが美味しいご飯を炊くには
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蒸気炊飯を導入する際の2つの注意点

ここでは、蒸気炊飯を導入する際の2つの注意点を見ていきましょう。意識すべきポイントは以下の2つです。
それぞれわかりやすく解説していきます。
目的・用途との適性を確認する
1つ目の注意点は、目的・用途との適性を確認することです。
蒸気炊飯は、炊き増えや導入後のコスト削減など、多くのメリットがあります。しかし、多品種炊飯には向いていないため、同時に多くの種類のご飯を炊かなければならない場合には不向きです。
目的や使用用途を確認した上で、導入するかを決めるようにしましょう。
設置スペースを考慮する
2つ目の注意点は、設置スペースを考慮することです。
製品を新しくする際には、設置スペースとスタッフの動線を考えるようにしましょう。ギリギリのスペースに置いてしまうと、作業効率の低下につながることもあります。
また、失敗しないためには依頼する機器メーカーに目的や何を調理するのかなど、細かく相談することがおすすめです。導入後に後悔しないために、しっかりと確認するようにしましょう。
まとめ

本記事では、蒸気炊飯のメリット・デメリットからおすすめの会社、導入する際の注意点を解説しました。
蒸気炊飯は多くのメリットがあり、人気を集めている炊飯器です。導入を検討している方はぜひ取り入れてみましょう。
しかし、導入する際には本記事で紹介した注意点を必ず意識するようにしてください。導入後に後悔のないようにしましょう。
本記事があなたのお役に立てることを願っております。
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